BLOG

 

動かす言葉・蒐集記:1

 
 
最近美術展の広告がおもしろいですね。
特に話題の「怖い絵展」。関西だけで30万人に届くほどの盛況ぶり。
うちのじいちゃんばあちゃんも行きました。
元の企画が中野京子さんのベストセラーなんて知らないし、
携帯はガラケー、SNSはSOS?って聞き返すし、HPもノーチェック。
なのに初美術展です。
そんな彼らさえも動かしたのは、「怖い絵展」というタイトルのインパクトですが、
キャッチコピーの「どうして。」も気になったらしく、
「ほんまに、どうしてやろ」と思ったそう。
怖いもの見たさとはいうけれど、
言葉が古い洋画を映画のようなエンタメにしてしまった。
 
ところで美術展のコピーが面白くなってきたのはいつからでしょうか。
僕が思い出すのは2010年に開催された「ルノワール伝統と革新」です。
キャッチコピーは、ただ一言
「ルノ。」
横に小さく「見ルノ、知ルノ、感じルノ。」という
サブコピーが入っていて、なんとも思わせぶりでしたが、
美術展の広告でこんなコピー、それまで見たことなかった。
 
掲出地域によって色んなコピーバリエーションがありましたが、
覚えていますか。(新大阪は「幸せは近くにあルノ。」とか)
あらためて調べたら、これらのコピーは関西だけで関東とは別バージョンだったのですね。
大阪での展覧会の入場者数は人口の違いもあり、
だいたいが東京の6割くらいだそうで、力を入れたのでしょう、
結果、9割近くまで伸ばした大躍進だったそうです。
 
当時仕事で京都へ行くことがあり、河原町で見たポスターのコピーは
「あと59分で会えルノ。」でした(思わずメモってた)。
梅田に着くと駅は見渡す限り「ルノ。」「ルノ。」「ルノ。」
天井がタペストリーで埋め尽くされ、
しばらく口を開けたまま見上げていたことを思い出します。
言葉を無くすほど圧倒されてしまった。
 
すごいな、言葉って。